鋼製砂防構造物とは

I. 冗長性(リダンダンシー)

①各部材は溶接・ボルトにより剛結された鋼管フレーム構造
② 一部の部材の破損が堰堤全体の崩壊につながらない高次の不静定構造物
③ 主な部材は構造部材としての板厚を有す

II. 製作体制

① ISO9001「品質マネジメントシステム」による品質管理体制下での工場製作
②仮組検査を実施し、高い組立精度を保証

III. 施工性

①プレハブ化された各部材により、現地での施工管理が容易かつ安全・迅速な組立が可能

IV. 経済性

①土石流の作用を直接受ける箇所の主要な部材は構造部材を使用
② 部材の損傷・破損に対するリスクが低いため、ランニングコストの抑制が可能

鋼製砂防構造物の特長

1.砂防分野の様々なニーズに対応できます。

 鋼材は優れた強度特性を持ち加工性がよく設計の自由度が高いことから砂防分野における様々な要求に対応しています。
 粘り強い鋼製構造の特性を活かしこれまでにも、土石流の捕捉、減勢、土砂の調節などに有効な「鋼製透過型堰堤」や、土石流発生防止、渓岸渓床の侵食防止、地すべりの抑制などに有効な「鋼製不透過型堰堤」を生み出してきました。

2.自然環境にやさしい砂防構造物を提供できます。

 鋼材はリサイクル率が非常に高く、また自然環境にもやさしい材料です。
 「鋼製透過型堰堤」は、開口部が魚道の役割を果たし生態系にやさしく、自然環境にも調和します。また堰堤上下流の景色が見渡せるので景観にも優れています。
 「鋼製不透過型堰堤」は、現地発生材を中詰材として有効利用でき、多目的自然の壁体を容易に形成できるため自然との調和に優れています。
 今後も自然環境にやさしい砂防構造物を提供していきます。

3.流木対策に大きな効果を発揮します。

 最近の土砂災害で注目を浴びている上流域からの流木対策に、最有力な施設として威力を発揮しています。
 今後、大量の流木を確実に捕捉できる構造物として技術開発に取り組んでいきます。